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私の一日
わたしのいちにち
作品ID52759
副題軽い酔
かるいよい
著者牧野 信一
文字遣い新字旧仮名
底本 「牧野信一全集第三巻」 筑摩書房
2002(平成14)年5月20日
初出「文章倶楽部 第十三巻第五号(五月号)」新潮社、1928(昭和3)年5月1日
入力者宮元淳一
校正者門田裕志
公開 / 更新2011-08-28 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


 四月四日
 電灯が消えたので思はず舌を打つた。だが、窓をあけると輝かしい朝陽がみなぎつてゐた。H君と一緒に海辺へ行く。朝釣りから戻つて来た舟の人から大きな鯵を買ひ、H君が尾をさげてもどる。鯵を酢にして朝飯を喰ふ。ビールの軽い酔を得て昼まで眠る。競馬にさそはれたが止める。
 二三時間しか眠らないので、頭が変だが、眠くもないので、アメリカ料理の古いグラヒツクなどを眺める。朝まで起き通すだらう。



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