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私が占ひに観て貰つた時
わたしがうらないにみてもらったとき
作品ID52823
副題消えぬホクロ
きえぬホクロ
著者牧野 信一
文字遣い新字旧仮名
底本 「牧野信一全集第五巻」 筑摩書房
2002(平成14)年7月20日
初出「文藝通信 第一巻第三号」文藝春秋社、1933(昭和8)年12月1日
入力者宮元淳一
校正者門田裕志
公開 / 更新2011-10-18 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


 自分からすゝんで占ひを観て貰つたことはないが、十七八歳の頃祖母が突然小生の面上のほくろを気にしはぢめて、占ひ者に謀り、何れと何れとを抹殺すべきかと二三を指摘し、さて占者は小生を静座せしめて、はたとその面を睨めて物凄い声で気合ひをかけた。そして数回に亘つて、薬液体のものを、不吉と称するほくろの上に注いだが、一向に効目もなく、終ひにそのまゝ烏耶無耶のうちに中止となつたことがある。



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