『真昼　―― 或るESQUISSE ――』李箱 ◀ えあ草紙・青空図書館（無料・縦書き）

真昼まひる
作品ID	53723
副題	―― 或るESQUISSE ―― ―― あるESQUISSE ――
著者	李箱 Ⓦ
文字遣い	新字旧仮名
底本	「李箱作品集成」　作品社 2006（平成18）年9月15日
初出	「朝鮮と建築　第十一集第七号」朝鮮建築会、1932（昭和7）年7月
入力者	坂本真一
校正者	春日井ひとし
公開 / 更新	2018-01-11 / 2018-01-11
長さの目安	約 1 ページ（500字/頁で計算）

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本文より

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ELEVATER FOR AMERICA.
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三羽の鶏は蛇紋石の階段である。ルンペンと毛布。
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ビルデイングの吐き出す新聞配達夫の群。都市計画の暗示。
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二度目の正午サイレン。
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シヤボンの泡沫に洗はれてゐる鶏。蟻の巣に集つてコンクリヒトを食べてゐる。
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男を※※［＃「車＋般」、318-8］［＃「てへん＋那」、U+632A、318-8］ぶ石頭。
男は石頭を屠獣人を嫌ふ様に嫌ふ。
　　　　　　○
三毛猫の様な格好で太陽群の隙間を歩く詩人。
コケコツコホ。
　途端　磁器の様な太陽が更一つ昇つた。
　　　　　　○