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作業機械
さぎょうきかい |
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作品ID | 53959 |
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著者 | 細井 和喜蔵 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」 新日本出版社 1987(昭和62)年5月25日 |
初出 | 「鎖」1923(大正12)年7月号 |
入力者 | 坂本真一 |
校正者 | 雪森 |
公開 / 更新 | 2015-12-19 / 2015-09-01 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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材料は金属と木と革――有抵抗の物体――
構造は胴と軸と車と槓杆と発条
こいつには脳味噌がないんだ!
こいつには性慾がないんだ!
だが
月と日が惚れ合って
互に近づいて遂に性交したとき
流れ出た汚物の凝固したもの 石炭!
石炭は思い出から燃え上る 天然勢力!
機械は動く
調革…………調車
軸
歯車
偏心輪
槓杆……発条
回転 衝程 弧動――昇降
機械はまわる
晩から朝まで 朝から晩まで
こいつを人間が使ってだ
人々がその慾望を楽々と慰められると思ったが
奴等 金持がにっこりと微笑したに止って
機械の運転者――職工――は機構の一部となってしまった
機械的労働
十二時間
十八時間
徹夜!
寝ぼけてしまった職工
だが機械は疲れず高速度回転!
あっ? 機械が腕を喰った
血……血……血………
(『鎖』一九二三年七月号に発表)