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青い服の列
あおいふくのれつ |
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作品ID | 53981 |
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著者 | 西村 陽吉 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」 新日本出版社 1987(昭和62)年5月25日 |
初出 | 「生活と芸術」1915(大正4)年12月号 |
入力者 | 坂本真一 |
校正者 | 雪森 |
公開 / 更新 | 2016-03-22 / 2015-12-24 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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青い服の長い列、
みんな揃って青い服、
ひょろひょろとした、
せいのひくい、
営養不良の、
顔まで青い長い列。
みんな同じようなゲートルをまいて、
手に手に日の丸の小旗をもって、
生徒のような帽子をかぶって、
どれもこれも、
鉱毒と過労にひきつったような顔。
時間にして一時間以上、
長さにして一里以上、
数にして一万以上、
砲兵工廠から二重橋まで
うねうねと蟻の列のように。
それがみんな人間だ、
しかも髯をはやした立派な人間だ。
青い服を着た職工――
人間の器械だ。
花の日の酔うような街中を、
小旗をふりながら謳ってゆく、
なんと言って謳ってゆく、
見たことも、嘗めたこともない、
「黒酒白酒をとりもちて――」……。
(花の日所見)
(『生活と芸術』一九一五年十二月号に発表)