えあ草紙・青空図書館 - 作品カード
楽天Kobo表紙検索
場外
じょうがい |
|
作品ID | 54002 |
---|---|
著者 | 根岸 正吉 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」 新日本出版社 1987(昭和62)年5月25日 |
入力者 | 坂本真一 |
校正者 | 雪森 |
公開 / 更新 | 2015-07-14 / 2015-06-12 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
広告
広告
十二時間の勤めを終えて
わざわざ郊外からやって来たのだ。
山を下り川を越え
はるばる足尾からやって来たのだ。
それを此儘追返すとは
ものの解らぬにも程がある。
「諸君!
開けずんばこんな門
たたき壊して這入ろうじゃないか」
言葉半ばに魔の手は延びて
猛り狂いつ捕われて
暗き方へと引かれ行く。
「……森も林も武装せよ、
石よ何故飛ばざるか……」
革命の歌うすれ行く。
(発表誌不詳 『どん底で歌う』を底本)