えあ草紙・青空図書館 - 作品カード

作品カード検索("探偵小説"、"魯山人 雑煮"…)

楽天Kobo表紙検索

調帯
ちょうたい
作品ID54006
著者野村 吉哉
文字遣い新字新仮名
底本 「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」 新日本出版社
1987(昭和62)年5月25日
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2015-11-15 / 2015-09-01
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

広告

えあ草紙で読む
▲ PC/スマホ/タブレット対応の無料縦書きリーダーです ▲

find 朗読を検索

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ作品レビュー

find Kindle 楽天Kobo Playブックス

青空文庫の図書カードを開く

find えあ草紙・青空図書館に戻る

広告

本文より


ぶんぶんすばらしくうなりながら
私の目の前にいつでもいつでもあらわれてくる調帯

うとうととまどろみかけた頭のなかに
すぐぶんぶんとひびきながら
私の身体のところどころをへし折りはねとばし
すばらしい勢いで回転している調帯の幻影

いつでもいつでも
夜でも昼でも私は調帯にせめられている

まっくらがりのなかで
ぶんぶんうなりながら回転している調帯!
手を折られ足を折られた私のめのまえへ
疲れきったあたまのなかから
ひょっくりひょっくりあらわれてくる
(発表誌不詳 一九二九年一月平凡社刊『新興文学全集』10を底本)



えあ草紙で読む
find えあ草紙・青空図書館に戻る

© 2024 Sato Kazuhiko