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結党の焔
けっとうのほのお
作品ID54011
著者波立 一
文字遣い新字新仮名
底本 「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」 新日本出版社
1987(昭和62)年5月25日
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2015-07-10 / 2015-06-12
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


誰が 資格審査を反動政府に頼むだか?
結党は労働者農民の決心だ!

四月十日に胸の党員章を外したけれど
労働者と農民を解散出来るか!

「合法」とは奴らのものだ
被圧迫民衆の生計は「非合法」だ。

幾人が横腹に泥靴を喰い肉を裂き
血にむせびつつ虚空を掴むだか……

警察の調書と暗黒裁判の判決書を
結党の焔もて焼きすてろ!

地主の倉と立入禁止の立札を
結党の焔もて焼きすてろ!

出兵要求権を兵卒の銃剣でくすぐる日まで
罷業権は血に塗れて進まねばならぬ。

若しも 政府の涙雨が降ったならば
油に滲むだ仕事着を焔の中に……

未だに党員証を破らぬ俺達の胸に
デモをたたみこむで結党大会へ――
(発表誌不詳 一九二九年七月戦旗社刊『一九二九年版日本プロレタリア詩集』を底本)



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