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血を越えてゆく
ちをこえてゆく
作品ID54023
著者松本 淳三
文字遣い新字新仮名
底本 「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」 新日本出版社
1987(昭和62)年5月25日
初出「種蒔く人」1921(大正10)年10月号
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2015-10-09 / 2015-09-01
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


われら 血を越えてゆく
はらからが流したる
くろき血をぞ 越えて尚ゆく

おそろしき権力は
ゆくてをふさぎ
するどき刃は
たえず頭上にひらめけども

あらしの如く
泉のごとく
石をおしわけ 春 芽をふく草の
力に似て
彼岸を遠く
たのみ且つ信じ

ああ われら血を越え
たゆまずゆく
はらからに続き また
はらからを後に率いて――
(『種蒔く人』一九二一年十月号に発表)



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