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労働の精神
ろうどうのせいしん
作品ID54031
著者百田 宗治
文字遣い新字新仮名
底本 「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」 新日本出版社
1987(昭和62)年5月25日
初出「民衆」1918(大正7)年3月号
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2015-08-21 / 2015-08-29
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


工場の隅でぐったりしている人よ、
君は疲れているか、
君の腕は最早力を失ったか、
君の息は苦しそうだ。

だが君の腕はいまに甦るだろう、
君の息はいまに百倍の力に充ちるだろう、
そして君は再び立ってゆくだろう。

おおみんながムダに時間を費している時に、
君は働いているのだ、
君は力を消費し、また恢復し、
一杯になり、またそれを失い、
一刻の暇もぼんやりしていない。

おお君の世界は何と充実していることだ、
何とはり切っていることだ、
おお君の所有している、君の権利の、君の生かす世界の真実を知れ、
君自身を知れ、
労働の精神を知れ、
無上の幸福と生き効いに声挙げよ。
(一九一八年一月六日作 『民衆』一九一八年三月号に発表)



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