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うし
うし
作品ID54262
著者濤音
文字遣い新字旧仮名
底本 「沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ」 国書刊行会
1991(平成3)年6月6日
初出「沖縄毎日新聞」1912(明治45)年1月22日
入力者坂本真一
校正者きゅうり
公開 / 更新2019-11-23 / 2019-10-28
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


お冠船に帆をおろすさわぎはやんで、
はやお主加那志前 お迎へか。
あれ楽の音がかすかに微かに浮んでくる
どれ黒髪□□梳さなをさう。

黄金三つ星てり渡る北京の都。
そこからおす唐 按司すゐ、
まばゆいばかりの尊いみ姿を
今日こそは妾もをがみにいきます。

島には雲わき燕がすぢかひに飛ぶ。
鴛鴦のやうなお冠船はふわふわと
湾内にねむつて濃い夢をむさぼる。
森には福木 黄いなる花さく。

お冠船をどりの日はいつごろか。
うしイは夜もすがら胸にゑがいた。
あてやかな若按司が紅ゝゆる振袖を、
または女躍 役者かこまやかな足どりを



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