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哀歌
あいか
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「増補 森川義信詩集」 国文社
1991(平成3)年1月10日
入力者坂本真一
校正者フクポー
公開 / 更新2017-08-13 / 2017-07-17
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


枝を折るのは誰だらう
あはただしく飛びたつ影は何であらう
ふかい吃水のほとりから
そこここの傷痕から
ながれるものは流れつくし
かつてあつたままに暮れていつた
いちどゆけばもはや帰れない
歩みゆくものの遅速に
思ひをひそめ
想ひのかぎりをこめ
いくたびこの頂に立つたことか

しづかな推移に照り翳り
風影はどこまで暮れてゆくのか
みづから哀しみを捉へて佇むと
ふと
こころの佗しい断面から
わたしのなかから
風がおこり
その風は
何を貫いて吹くのであらう



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