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霙の中
みぞれのなか
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「増補 森川義信詩集」 国文社
1991(平成3)年1月10日
入力者坂本真一
校正者フクポー
公開 / 更新2019-02-21 / 2019-01-29
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


妹よ あの跫音は何であらう
喪はれた美しい日々の歌声ではない
今日も夕暮近い霙の中を通つてよ
怖ろしい鴉の黒い群であらうか
散薬の重いしめりに病み呆けた
わたしの胸にやつて来て
わたしの肋骨をこつこつとたたく
何であらう
妹よ お前さへ居ない此の部屋を
こつこつとたたくのは
いつたい何であらう
霙のやうに冷たい死の掌か――
霙のふる夕暮は
霙のふる夕暮に似て
さびしい私の若さ・いのちであるのだ
妹よ



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