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かさぬ宿
かさぬやど
作品ID54503
著者末吉 安持
文字遣い新字旧仮名
底本 「沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ」 国書刊行会
1991(平成3)年6月6日
入力者坂本真一
校正者フクポー
公開 / 更新2019-01-15 / 2018-12-24
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


五里の青野に行き暮れて、
山下街の片門に、
いかで一夜の宿乞ふと
都のなまり、――うらわかき
学生づれの七人は
手にこそしたれ、百合の花。

家の下部が、老い屈み、
嗄れごゑに、竹箒
とる手とどめて物いへば、
二室へだてし簾障子の
奥に乳母よぶ――こは人の
百合の花なる白き影。

親なき君をいつく家の
あなあやにくと、しとやかに
乳母はいなみぬ。よし、さらば、
そのあえかなる君祝ひ
捧ぐと與へ行き過ぎぬ、
七人の手の百合の花。



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