えあ草紙・青空図書館 - 作品カード

作品カード検索("探偵小説"、"魯山人 雑煮"…)

楽天Kobo表紙検索

文月のひと日
ふみづきのひとひ
作品ID54504
著者末吉 安持
文字遣い新字旧仮名
底本 「沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ」 国書刊行会
1991(平成3)年6月6日
入力者坂本真一
校正者フクポー
公開 / 更新2018-07-27 / 2018-06-27
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

広告

えあ草紙で読む
▲ PC/スマホ/タブレット対応の無料縦書きリーダーです ▲

find 朗読を検索

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ作品レビュー

find Kindle 楽天Kobo Playブックス

青空文庫の図書カードを開く

find えあ草紙・青空図書館に戻る

広告

本文より


黒檀のみどり葉末に、
そよ風ながう滑りて、
自然の魂塊藍に
薫りとぶ真夏の昼。
金糸雀にうまゐ醒めて、
夢の世に追ひわびたる、
やわらぎの霊の華を
いま紫陽花にみとめつ。
昨夜詩に寝ね足らぬ
瞳細ういと細う、
わが世永久にかゝらばと、
おもひ入る、あゝ夢心地。

この刹那のたましひを
黄金の龕にひめて、
ひと日だにいつき得なば、
あゝ我ぞ詩のやさ男神。



えあ草紙で読む
find えあ草紙・青空図書館に戻る

© 2024 Sato Kazuhiko