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文月のひと日
ふみづきのひとひ |
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作品ID | 54504 |
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著者 | 末吉 安持 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ」 国書刊行会 1991(平成3)年6月6日 |
入力者 | 坂本真一 |
校正者 | フクポー |
公開 / 更新 | 2018-07-27 / 2018-06-27 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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黒檀のみどり葉末に、
そよ風ながう滑りて、
自然の魂塊藍に
薫りとぶ真夏の昼。
金糸雀にうまゐ醒めて、
夢の世に追ひわびたる、
やわらぎの霊の華を
いま紫陽花にみとめつ。
昨夜詩に寝ね足らぬ
瞳細ういと細う、
わが世永久にかゝらばと、
おもひ入る、あゝ夢心地。
この刹那のたましひを
黄金の龕にひめて、
ひと日だにいつき得なば、
あゝ我ぞ詩のやさ男神。