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友に
ともに
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ」 国書刊行会
1991(平成3)年6月6日
入力者坂本真一
校正者フクポー
公開 / 更新2019-01-15 / 2018-12-24
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


友よ恨まじ今日よりは
ねたまじ、君は濃藍の
底見えわかぬわたづみの
珊瑚の宮に恋を得て
幸くあり、とに思ひ止まむ。

濃藍たゞえて見えわかぬ
わたづみ底の恋なれば
誰が子誰が子の手をとりて
口つけかはし笑みかはし
ありともいかで名を知らむ。

恋を恋はれぬ嫉妬もて、
相合ふ魂を咀ふとも、
三月尽の百蓮華
得やは枯さむあたゝかき
蕾ふくめる緋牡丹を。

寄藻の花も匂はざる。
荒磯の辺り、夏の日に
照り晒らされて帆立貝
帆を失なひぬ、砂の上に
歯をくひあてゝ滅ばゞや

とおもひにしも怨疾の
膿に悩める昨夜なりし、
帆を失なひし貝ならば
今日より思ひ安からむ、
荒磯の上や寂光土――

ねたみくづれし花ならば
今日よりなげきあらためむ、
法の雨降れあゝさらば、
乱れて飛びし花片を
濡れ朽たしめよ土着せよ。

日毎夜毎に死にかはり
死にかはりてもあゝ友よ
ねたまじ友の恋人よ、
こひねがはくは円かなる
愛の光りを仰がしめずや。



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