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村へ行く
むらへいく |
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作品ID | 54771 |
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著者 | 鶴 彬 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「手と足をもいだ丸太にしてかえし 現代仮名遣い版鶴彬全川柳」 邑書林 2007(平成19)年12月16日 |
初出 | 「北国新聞」1925(大正14)年11月13日 |
入力者 | 坂本真一 |
校正者 | 染川隆俊 |
公開 / 更新 | 2013-09-11 / 2014-09-16 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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晴れわたる
秋の遠山は、らんじゅくした、女のらたい、ふっくらとした、山肌は、女の、いんこうのごとき、谷をきざむ。ああ、はるかに見る、秋の山山は肉感的なるかな
十時五分前
太陽はさんらんと放散するのに馬車にへこんだ、村の道を、詩人があるく
×
一せいに高い、けやきの枝は、やみ上がりの女のかみのごとく、うすく宙をねらう
土蔵の壁の白く明るく。
村を吐き出されたひとびとは、
絵のごとく、でんぱたにうごく高い空――
十時。
地蔵が、もくして立つ、詩の入り口に詩人がつく。