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あすは、明日は、
あすは、あすは、 |
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作品ID | 55216 |
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著者 | ツルゲーネフ イワン Ⓦ |
翻訳者 | 上田 敏 Ⓦ |
文字遣い | 旧字旧仮名 |
底本 |
「上田敏全訳詩集」 岩波文庫、岩波書店 1962(昭和37)年12月16日 |
初出 | 「明星 三ノ二」1902(明治35)年8月 |
入力者 | 川山隆 |
校正者 | 岡村和彦 |
公開 / 更新 | 2013-02-12 / 2014-09-16 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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いかに、わが世の、あだなるや、空なるや、うつろなるや。げに、人間のあとかたの覺束なくて、數少なき。徒らなるは月日なり。
しかも萬人は生を惜む。いたく、性命を尊みて、これより、我より、當來より、なに物か、えまほしく、求めてやまず……噫、人は、當來に、豐なる賚を望む。
さはれ、なじかは、思はざる、當來また過去に似たらむを。
げに、思はざるなり。考ふるを好まざるなり。此事眞に善し。
『さて、あすは、明日は!』人みな、この『あすは』をもて、自ら慰め、終におくつきの道に降らむ。
而して、ひとたび、墳塋のうちに入らば、人の思はおのづから已まむ。