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よそ人のあざむが如く
よそひとのあざむがごとく
著者
翻訳者上田 敏
文字遣い旧字旧仮名
底本 「上田敏全訳詩集」 岩波文庫、岩波書店
1962(昭和37)年12月16日
初出「芸苑 二ノ三」1907(明治40)年3月
入力者川山隆
校正者成宮佐知子
公開 / 更新2012-11-29 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


よそ人のあざむが如く、君も亦あざみ給ふか
我君よ、君はた知らじ、覺りえじ、世に不思議にも
俤のかくは移ろひ、變りたる深きいはれを、
そは君がたへなる色を仰ぎ見し惑ひ心地ぞ。

我心、君もし知らば、『憐愍』のいかで堪ふべき
かうやうのつらき恥目に我心惱ましむるぞ。
見よ、「愛」は君います邊、のびらかに心のどけく、
廣大の無邊力をぞ安んじて振ひ行ふ。

それ茲に怯え戰くわが生氣、逐ひやらはれて
家も無く、あるは苦み、あるは失せ、今たゞ「愛」は
殘りゐてふみ止まれる獨住、心地もよきか、

思ふまゝ君を仰ぐも羨まし、これわが顏の
さま變る故と知らずや。默しつゝ唯茫然と
われこゝに佇みきけば、官能の逃げ惑ふ聲。



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