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夢の国
ゆめのくに |
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作品ID | 55414 |
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著者 | 片山 広子 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「火柱 第一卷第五號」 ほのほ會 1908(明治41)年7月15日 |
初出 | 「火柱 第一卷第五號」1908(明治41)年7月15日 |
入力者 | 匿名 |
校正者 | 館野浩美 |
公開 / 更新 | 2016-08-29 / 2016-07-27 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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雄心や花ふみにじりわか芽つみほゝゑむすべは知らずあらなむ
ふと行きてかへらぬ人よ掌をすべりて消えし玉ならなくに
身の秋にしのぶも悲し日陰草小さく咲きて散りし花はも
天つ世の魂の足音のきこゆらしゆめの国ゆくあかつきの時
思ひなゝあらそひもなき後の世は唯いとまあり眠る人のみ
つばさ破れ落ちしはやぶさやけ砂にうなじやかせて遠き空見る
うつくしき青葉の岡の殿づくり饑ゑし百人つちはこぶらし
花散りし胸の園生の垣ゆれて道行く人となりにける君
ますらをはつかれつゝみてよき妻のつかはれ人となりにけるはや
朝の風四里の麦生の波越えて多摩の川辺に人たづね行く