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小林虐殺一周忌 二月二十日
こばやしぎゃくさついっしゅうき にがつはつか |
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作品ID | 55545 |
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著者 | 今野 大力 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「今野大力作品集」 新日本出版社 1995(平成7)年6月30日 |
入力者 | 坂本真一 |
校正者 | 雪森 |
公開 / 更新 | 2015-02-24 / 2015-01-16 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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小樽から来た小林が
殺されたんだと
親に教えた俺だった
やられたか
やりやがったか
一日も二日も三日もねむられぬ
憎っくい下手人
××の手先
小林が元気な頃は
又逢えるつもりでいたのに
殺されて
二度と逢いない 二度と逢いない
小林をとらえた刑事
抜けがけをやろうとしたか
全身の皮下溢血が無残な姿
犬や猫や豚を
殴って殺しても
こんなに無惨に
殺せるものか
残忍、野蕃
鬼畜の如く
同志を虐殺する
日本の××警察
一言もただ一言も
言わずにやられた小林が
ボリシヴィキの
手本となった
虐殺された同志は
幾人か
闇から闇へ奪われた
同志は幾人か
革命の戦士達
鋼鉄の規律
小林が実践した路
けわしかった路
今もけわしいこの路
「不在地主」
モデルは富良野の磯野農場
北海道語が
なつかしいだけじゃない
「沼尻村」
あれは沼具
炭鉱労働者の不平満々たるガス
マッチを磨ってた小林
牢獄の同志
三万人
治維法をおびやかす
三万人