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私の病室の報告
わたしのびょうしつのほうこく |
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作品ID | 55577 |
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著者 | 今野 大力 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「今野大力作品集」 新日本出版社 1995(平成7)年6月30日 |
入力者 | 坂本真一 |
校正者 | 雪森 |
公開 / 更新 | 2015-07-21 / 2015-05-24 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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私の病室は十三号の乙
寝台は三つ 満員
二人は施療で私は有料
一人は堅山と三十越えた男
三年全くこのベットにへばって暮し
るいれきで首の周囲は膿の出た跡赤い肉が盛り上って
此頃も両脇の下から膿がしきりに流れている
肺の方も相当の進行している
その咳こむ凄さは恐ろしい
俳句を毎日作っている
も一人は鈴木二十二歳
堅山にこの小僧ッ子は生意気だと
泣きながら散々の悪口を言われた男
一月ばかり前に三千グラムも喀血したそうだが
それほどからだは衰弱していない
だが右肺の下部に大空洞があって一日の喀痰量は
コップに四五杯、熱心なカトリック教徒
熱は毎日三十八度前後
最後に私 私は三十一歳
私は腸結核で
最初の四五日は血便を
あとの十日は激痛ある下痢を
そのあとの四五日は一日中粘液を
そこで浣腸したら腸に穴があいて膿汁が流れ
それからもう二十日余り未だ
膿が二三回ずつ流れ走って出てくる
肺は相当に悪く熱は三九度五分前後一日二回ずつ発熱、衰弱三人中の第一位
五・一四