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心を養う
こころをやしなう |
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作品ID | 55606 |
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著者 | キャロル ルイス Ⓦ |
翻訳者 | 石波 杏 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
入力者 | 石波杏 |
校正者 | |
公開 / 更新 | 2012-09-29 / 2015-09-21 |
長さの目安 | 約 10 ページ(500字/頁で計算) |
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朝食、昼食、夕食。極端な場合なら、朝食、昼食、夕食、お茶、夜食、そして寝る前には温かい飲み物を一杯。こんなに大切に養われているなんて、体は幸せです! 同じようなことを、誰が心のためにしているでしょうか。どうしてこんなに違うのでしょうか。心と体、そんなにも体のほうが大事なのでしょうか。
決してそんなことはありません。しかし、生きるということは、体を養うことにかかっています。私たちは、たとえ心が完全に腹ぺこ状態で放置されていても、動物としては生きていけるのです(人としてはともかく)。だから、もし体が全く放置されている場合、不快や苦痛といったひどい結果が生じて、私たちはすぐ自分の義務を思い出すようになっています。それが自然の定めです。さらに、生きる上で必要な機能のうちいくつかについては、選択の余地を残さずに、自然が全部やってくれます。もし私たちが消化や血液循環を自分で管理していたら、多くの人が大変な目にあうでしょう。「しまった!」誰かが叫びます。「今朝は心臓のねじ巻きを忘れていた! この三時間止まったままだった!」なんて。一方では友達が言います。「今日の午後は君と散歩には行けないよ。少なくとも十一回分、ご飯を消化しなくちゃ。忙しくて先週から延ばし延ばしにしていたら、医者から言われたんだ、これ以上ためておいたらどうなっても知らないぞ、って。」
さて、体を放置すると、その結果は明らかに、目に見えたり感じられたりします。もしも、心についても同じように見たり触ったりできるとしたら、一部の人にとっては望ましいのかもしれません。そして、そう、医者に診せて脈を取ってもらえるとしたら。
「おや、最近この心はどうしたんだろうね。どういう栄養を与えているんだ? 青ざめて見えるし、脈もずいぶん遅い。」
「ええとですね、先生、最近はきちんとした食べ物を取ってないんです。昨日は砂糖菓子をたくさんあげました。」
「砂糖菓子! どんな種類の?」
「ええと、なぞなぞをひと袋です。」
「やれやれ、思った通りだ。では覚えておきなさい。そんな馬鹿げたことを続けていたら、歯を全部だめにしてしまって、精神的な消化不良で寝込むことになるぞ。何日かは最も易しい読み物以外食べてはいけない。大事にしなさい。小説はもってのほかだ!」
体に食べ物や薬を与える上で、多くの人が色々な苦労を重ねてきました。それならば、そのときのルールを、心にもあてはめてみる価値があるのではないでしょうか。
まずは、心にとって適切な種類の食べ物を与えることから始めましょう。体に合うか合わないかは、経験からすぐに学べますから、美味しそうなプディングやパイを我慢するのはさほど難しくありません。記憶のなかでそういう食べ物と消化不良の不快な症状とが結びついていれば、それらの名前を聞いただけで、大黄とか酸化マグネシウムとかの胃薬を思い出さ…