えあ草紙・青空図書館 - 作品カード
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![]() やまとぶり |
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作品ID | 55763 |
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著者 | 佐佐木 信綱 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「大和の古文化」 近畿日本叢書、近畿日本鉄道 1960(昭和35)年9月16日 |
入力者 | 岩澤秀紀 |
校正者 | 杉浦鳥見 |
公開 / 更新 | 2020-06-03 / 2020-05-27 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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大和路
大和なれば塔は見ゆいらか見ゆ菜たねがらやく畑の遠に
道にそふ切づまの家柿若葉生駒遠嶺は淡々と霞み
春日野
いゆきめぐるあしびがもとの道明るし春日野にある此の夕なり
我が行くは憶良の家にあらじかとふと思ひけり春日の月夜
奈良ホテル
朝窓のそとに来遊ぶ鹿を見る奈良にやどりし喜びの一つ
大木あふちむらさき淡きいろしづかに朝の庭苑の一角を占む
秋雨の日
靄ごもる布留の川添とめゆかば昔少女にけだし逢はむかも
秋雨に飛鳥を行けば遠つ世のおもひするかな萩の花ちる
薬師寺
巍々たる宝刹のもとおほけなくわが歌碑ここに建たむと思へや
瑞々し菩提樹の蔭にわが歌の石ぶみは建てりよき処得て