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ふしあわせ者のうた
ふしあわせもののうた
著者中野 鈴子
文字遣い新字新仮名
底本 「中野鈴子全詩集」 フェニックス出版
1980(昭和55)年4月30日
初出「第三次早稲田大学新聞 第三十九号」早稲田大学新聞社、1936(昭和11)年5月27日
入力者津村田悟
校正者夏生ぐみ
公開 / 更新2020-01-24 / 2019-12-27
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


人間には幸福と不幸がある
それは何処からきているか
みなもと深く学者はしらべた
人々は自分に照りあわせ
実際的に納得した
けれども
目ざす彼岸は高く
あまりに遠い

ふしあわせは
片時もはなれずつきまとう
人という人はことごとく
本能 感情 意志を持つ
不幸は四六時中五感をつっさす
みんなは生きる
ふしあわせとの組み打ち

ふしあわせは一様でない
その千差万別をうたいたい
ことに 普遍的なものよりも
特殊なふしあわせをうたいたい
たとえば肉体的なかたわ者
人は彼を見ることさえうとんじ
愛の花もしぼませる

それにもまして心のかたわもの
愛も怒りも消え失せ
人は彼をさけ 自分は我が身を投げ深ばまりしてゆく
わたしは彼らのビッコの心の中をうたいたい
仲間の心をもって、愛と泪をもって



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