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北越雪譜
ほくえつせっぷ
副題02 北越雪譜叙
02 ほくえつせっぷじょ
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「北越雪譜」 ワイド版岩波文庫、岩波書店
1991(平成3)年12月5日
初出「北越雪譜 初編」文渓堂、1836(天保7)年
入力者富田晶子
校正者雪森
公開 / 更新2018-09-24 / 2018-08-28
長さの目安約 3 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

世之農商而嗜ム二文雅ヲ一者、或不レ知所三以ヲ文雅ノ為ル二文雅一、徒ラニ企二羨シ韻士墨客之風標ヲ一、沈二酣シ文酒ニ一、流二連シ花月ニ一、而置テ二生計於不問ニ一、以傾ル二産業ヲ一者、間亦有レ之、是豈嗜ムノ二文雅ヲ一罪ラン哉、其人特自ラ取ルレ之ヲ耳ノミ矣、鈴木牧之翁者北越塩沢之老農也、性嗜ミ二文雅ヲ一、而能尚ヒ二節倹ヲ一抑エ二驕惰ヲ一、不レ絶二誦読ヲ於経営之中ニ一、而務ム二鉛槧ヲ於会計之余ニ一、以交ル二遠近之墨客ニ一、嘗テ以二堪忍之二字ヲ一銘シテ自ラ守ル、以レ故ヲ其名久布二遠邑ニ一、而生業モ亦因テ以テ致ス二豊饒ヲ一矣、嗚呼若レ翁者不シテレ徇カハ二文雅之名ニ一而能務ムル二其実ヲ一者、非ラズ耶、余於レ翁ヲ得タリ二一面識ヲ於江戸ニ一、而後特以レ書訂スルレ交ヲ者有リレ年レ于此、今茲乙未、遠ク寄二示シテ其所ノレ著北越雪譜ナル者六巻ヲ一、併テ嘱スルニ以スレ校訂ヲ、時方ニ盛夏炎威如レ燬、乃チ就テ二北※[#「窗−穴かんむり」、U+56F1、11-8]下ニ一試ニ繙而閲レバレ之、則越雪恍トシテ如シ下耳ニ聞二騒屑之声ヲ一、目ニ見ルガ上二紛霏之影ヲ一、使メ三レ人頓ニ忘レ二甑中之苦ヲ一、読テ到レバ二積畳埋レ屋行旅不レ通人以窮乏柴米或不ルニ一レ給セ、則※[#「冫+亶」、U+20610、11-9]然寒顫シ肌膚為レ之粟生セリ矣、余因テ以謂、[#挿絵]袴軽薄子弟、当テ二微雪俄ニ下リ紛々舞レ空之際ニ一、彫鞍宝勒飛シ二玉塵ヲ於郊[#挿絵]ニ一或ハ氈帽棕鞋蹈ミ二瓊瑤ヲ於街衢ニ一或画舸載セレ妓ヲ或高楼呼ビレ酒ヲ直ニ以為シ二勝遊楽事ト一、曾不レ知三飢寒為ルヲ二何物一、若シ令バ三レ其人ヲ読マ二此書ヲ一、依テ以想ン二其種々凍餒之苦状ヲ一乎、然則安ンカ知ンレ不ルコトレ有下能省三悟シテ非ルコトヲ二宴安之公共ニ一、而戚々焉生ズル上二戒懼之心ヲ一者哉、寧梓而行ハレ之其有ン三裨二益世教ニ一盖非二鮮小ニ一也、間者稍得テ二秋涼ヲ一、聊削リ二其駁雑ヲ一、校訂方ニ畢ル者ノ三巻、書賈文渓堂見而喜レ之謀ル二梓行セント之ヲ一、余寄テレ簡ヲ以告レ翁、々曰※[#「雨かんむり/彗」、U+4A2E、12-1]中閉戸ノ漫筆、豈敢テ欲ンレ梓耶、於レ是乎、不二復俟一レ請二之ヲ於翁ニ一挙テ以付スレ之、翁之嗜テ二文雅ヲ一而能務ル二其実一、此必笑テ頷ンレ之而已、翁之稿本国字之間漢字者、嘗不レ添へ二音訓之仮名ヲ一、余今尽ク添テレ之以テ便スト二童蒙ニ一、云フハレ爾カ天保六年乙未秋園菊開日

江戸   京山人百樹并書  [#挿絵]
[#改ページ]


 此書の稿本図は別冊とし、或は其説に大図を描して添たるもあり、皆牧之翁が自筆の草画也。此挙梓行の為にせざれば図に洪繊重復あり、今梓に臨て其図の過半を省き、目を新にするものを存して巻中に夾刺するは単冊に尽し難を以て也。※[#「其+りっとう」、U+5258、13-3]は是刪定の意に係る所也。余嘗て原図を閲するに、雪中…

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