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北越雪譜
ほくえつせっぷ
副題05 北越雪譜二編凡例
05 ほくえつせっぷにへんはんれい
著者山東 京山
文字遣い新字旧仮名
底本 「北越雪譜」 ワイド版岩波文庫、岩波書店
1991(平成3)年12月5日
初出「北越雪譜二編四巻」文溪堂、1841(天保12)年11月
入力者富田晶子
校正者きゅうり
公開 / 更新2020-01-27 / 2019-12-27
長さの目安約 4 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

 此書全部六巻、牧之老人が眠を駆の漫筆、梓を俟ざるの稿本[#「稿本」の左に「シタガキ」の注記]なり。故に走墨乱写し、図も亦艸画なり。老人余に示して校訂[#「校訂」の左に「カンガヘタヾス」の注記]を乞ふ。因て其駁雑[#「駁雑」の左に「トリマゼ」の注記]を刪り、校訂清書し、図は豚児[#「豚児」の左に「セガレ」の注記]京水に画しめしもの三巻、書賈[#「書賈」の左に「ホンヤ」の注記]の請に応じ老人に告て梓を許し以世に布しに、発販[#「発販」の左に「ウリダシ」の注記]一挙して七百余部を鬻り。是に依て書肆後編を乞ふ。然ども余が机上它の編筆に忙く屡稿[#「稿」の左に「シタガキ」の注記]を脱[#「脱」の左に「デカス」の注記]るの期約を失ひしゆゑ、近日務て老人が稿本の残冊を訂し、以其乞に授く。
 牧之老人は越後の聞人[#「聞人」の左に「ナタカキヒト」の注記]なり。甞[#「甞」の左に「マヘカラ」の注記]貞介朴実[#「貞介朴実」の左に「ヨキオコナヒ」の注記]を以聞え、屡県監[#「県監」の左に「アガタモリ」の注記]の褒賞[#「褒賞」の左に「ホメル」の注記]を拝して氏の国称を許る。生計[#「生計」の左に「イトナミ」の注記]の余暇[#「余暇」の左に「イトマ」の注記]風雅を以四方に交る。余が亡兄醒斎京伝の別号翁も鴻書[#「鴻書」の左に「テガミ」の注記]の友なりしゆゑ、余も亦是に嗣ぐ。老人余に越遊を奨しこと年々なり。余固山水に耽の癖あり、ゆゑに遊心勃々[#「勃々」の左に「スヽム」の注記]たれども事に紛て果さず。丁酉の晩夏遂に豚児京水を従て啓行[#「啓行」の左に「タビタチ」の注記]す。始には越後の諸勝[#「諸勝」の左に「メイシヨ」の注記]を尽さんと思ひしが、越地に入し後、年稍侵[#「侵」の左に「キヽン」の注記]して穀価貴踊[#「貴踊」の左に「タカク」の注記]し人心穏ならず、ゆゑに越地を践こと僅に十が一なり。しかれども旅中に於て耳目を新にせし事を挙て此書に増修[#「増修」の左に「マシイル」の注記]す。百樹曰といふもの是也。
 前編に載たる三国嶺の図は、牧之老人が草画に傚て京山私儲満山に松樹を画り。余越遊の時三国嶺を踰しに此嶺はさらなり、前後の連岳[#「連岳」の左に「ヤマ/\」の注記]すべて松を見ず。此地にかぎらず越後は松の少き国なり。三国嶺を知る人は松を画しを笑ふべし。是老人が本編の誤には非ず、京水が蛇足なり。
 山川村庄はさらなり、凡物の名の訓かた清濁によりて越後の里言にたがひたるもあるべし。然ども里言は多く俗訛なり、今姑俗に从もあり。本編には音訓の仮名を下さず、かなづけは余が所為なり。謬を本編に駆こと勿れ。
 余也固浅学にして多く書を不読、寒家[#「寒家」の左に「ヤセイヘ」の注記]にして書に不富、少く蔵せしも屡祝融[#「祝融」の左に「火ノコト」の注記]に奪れて、架上[#「架上」の左に「タナ…

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