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![]() えいが『しん・へいけものがたり』 |
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作品ID | 59346 |
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著者 | 溝口 健二 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「週刊朝日 9月18日号 第60巻第38号」 朝日新聞社 1955(昭和30)年9月18日 |
入力者 | かな とよみ |
校正者 | 木下聡 |
公開 / 更新 | 2020-05-16 / 2020-04-28 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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清盛が、叡山の僧兵にかつがれた神輿に、矢を射込む場面を、撮影しているところだ。祇園神社の楼門を押し出す行列をさえぎり、清盛が立ちはだかっている。楼門の朱色は、祇園のもののように見えるが、そうではなく、叡山の東ふもとにある坂本の日吉神社である。時代色やふんいきの関係から日吉神社を祇園神社に見立てたが、効果はあったようだ。
ここは、この映画のいわゆるクライマックスなので、リズムを強く高く盛り上げるのに苦労した。清盛が堂々たる英雄振りを発揮するのだが、見た目の勇ましさだけでは、主題からはずれる。仕上げた上でないと分らないが、清盛の無形のきはくが、僧兵たちの武力を、圧倒するように、演出したつもりである。(映画監督)