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まど
著者古賀 春江
文字遣い新字新仮名
底本 「画家の詩、詩人の絵 絵は詩のごとく、詩は絵のごとく」 青幻舎
2015(平成27)年10月10日
初出「古賀春江画集」第一書房、1931(昭和6)年
入力者かな とよみ
校正者村並秀昭
公開 / 更新2019-09-10 / 2019-08-30
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


沢山な窓のある家、
一つ一つの窓から顔が出てゐる。
顔には地図が描いてある。
みんなの地図が読める、
鳥籠も描いてある、花もあり、コップも、望遠鏡も、並ぶ顔、水筒、
霧、黎明とパイプも確実につながつてお互の陰翳を持つてゐる。
痙攣する避雷針の窓からまた一つの顔を見ないか、
揺れる、揺れる、椅子が、星が、
黒い夜の絵具は沈黙して語らない――その後の顔等に就いては。
今はただ明るく揺れる顔がある。



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