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ギルレイ
ギルレイ
原題THE MAN CALLED GILRAY
著者ホワイト フレッド・M
翻訳者奥 増夫
文字遣い新字新仮名
初出1911年
入力者奥増夫
校正者
公開 / 更新2019-11-13 / 2019-11-22
長さの目安約 206 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

主な登場人物     備考
ジョン・ギルレイ   殺人の被害者
フィリップ・テンプル 編集長、フィル
スパロウ警部補    警視庁
ジェーン・マーチン  現・家政婦
イズミ        前・家政婦
エルシ・シルバデール 旧姓ゴードン
ジョン・ゴードン卿  エルシの父
シルバデール公爵   エルシの夫
ハリンゲイ公爵    東部の名門貴族
サディ・マクレガ   公爵夫人
ギルバート      邸宅の家主
エドワード・スカフ  夜盗
イズミ・スカフ    イズミ・レガード
ネグレティ      たばこ商人
サットン       編集長
マスグレイブ     医者
ポール・テイラ    小説上の人物
パオロ・ブラチ    夜盗、元音楽家
レガード伯爵     レガード嬢の父

第一章 現場
『殺人事件の情報提供者へ』
『報奨金五百ポンド』
『前記報奨金を逮捕につながった直接間接の情報提供者に進呈する。容疑者は水夫もしくは人夫と思われる。容疑は今月六日水曜日に発生したジョン・ギルレイ氏謀殺。容疑者の正確な人相は現在不明。情報は近くの警察署に提供されたし』

 この三週間、前記の看板がロンドン中に見られた。要は凶悪犯罪、時々英国を隅から隅まで騒がせる。
 第一報を打ったのが日刊サザンヘラルド大衆紙、発行所はロンドン、週刊サザンヘラルドも出している。後者は週刊誌で、英国南部一帯でよく売れている。その時たまたま、日刊紙の編集次長と、週刊誌の編集長を兼ねていたのが、フィリップ・テンプルだった。
 同氏は頭の切れる記者でもあり、名声を保つ機会を決して見逃さなかった。また警察ともいい関係をしっかり築いており、その筋で同社は大成功を収めていた。
 だから、殺人事件発生の真夜中二時頃、緊急電話をスパロウ警部補から受け取った。すぐ署へ来い。
「何か特ダネですか」
「そのようだ。とにかく異常だ。大騒動になるな。本官はまだポンダ通りへ行ってないが、ちょうど事件を聞いたばかりで、警邏中の巡査部長からの報告だ」
「殺人ですか」
「ああ、とにかく惨事だ、男一人が死んだ。確実に殺人だ。被害者のジョン・ギルレイ氏はポンダ通りの邸宅に住んでおる。まだ詳細は聞いとらんが、巡査があの近辺を時々巡回しておる。ギルレイ氏をよく見かけたそうだ。それによると、五〇歳がらみの上品な男だ。ちょっと謎めいており、ほとんど人目を引かなかったらしい。金持ちみたいだな、さもなきゃポンダ通りにゃ住めない」
 テンプルがうなずいた。ポンダ通りはよく知っており、あの近辺に友人が二、三人いる。閑静な通りで、素敵な家が多く、二軒一棟式、複数の家に作業場がある。
 ポンダ通りには多くの有名な画家、記者、音楽家が住んでいる。家々の正面と裏側に庭があり、とても魅力的で立派な不動産である。
「おっしゃることは分ります。被害者は自由人と言う…

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