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お百度詣
おひゃくどもうで
作品ID60726
著者大塚 楠緒子
文字遣い旧字旧仮名
底本 「日本現代文學全集 10 樋口一葉集 附 明治女流文學」 講談社
1962(昭和37)年11月19日
初出「太陽」博文館、1905(明治38)年1月
入力者かな とよみ
校正者染川隆俊
公開 / 更新2021-08-09 / 2021-07-27
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


ひとあし踏みて夫思ひ、
ふたあし國を思へども、
三足ふたゝび夫おもふ、
女心に咎ありや。

朝日に匂ふ日の本の、
國は世界に唯一つ。
妻と呼ばれて契りてし、
人も此世に唯ひとり。

かくて御國と我夫と
いづれ重しととはれなば
たゞ答へずに泣かんのみ
お百度まうであゝ咎ありや
(明治三十八年一月「太陽」)



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