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ニール・オキャリー
ニール・オキャリー
作品ID60881
原題NEIL O’CARREE
著者ハイド ダグラス
翻訳者館野 浩美
文字遣い新字新仮名
入力者館野浩美
校正者
公開 / 更新2022-01-17 / 2021-12-26
長さの目安約 9 ページ(500字/頁で計算)

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本文より

 てんで不器用なやつだった。奥さんに向かって、鍛冶屋に行って医者の道具を手に入れるつもりだと言った。つぎの日、鍛冶屋のところに行った。
「今日はどこへ行くのかね」鍛冶屋がたずねた。「医者の道具を作ってもらうつもりさ」
「どんな道具を作ればいいのかね」「クラムシュキーンとギャルシュキーン(*1)を作ってくれ」鍛冶屋は作ってくれた。家に帰った。
 朝が来て――つぎの日のことだ――ニール・オキャリーは起き上がった。医者としてやっていく準備をして、出かけた。どんどん歩いて行った。街道のわきに赤毛の若者がいた。そいつはニール・オキャリーにあいさつした。ニールもそいつにあいさつした。「どこに行くんだい」赤毛の男がたずねた。「お医者になるつもりさ」「そりゃけっこうな商売だ。おれを雇うといいよ」「給料はいくら欲しい?」「またこの場所に戻ってくるまでに稼いだ金の半分だ」「いいだろう」ふたりは歩いていった。
「王さまの娘がいてな」と赤毛の男が言った。「死にかけてる。出かけていって、治せるかどうか見てみよう」ふたりは門まで行った。門番が近づいてきた。門番は、どこへ行くつもりだとたずねた。ふたりは、王さまの娘を見て、治せるかどうか試すつもりだと答えた。王さまはふたりを中に入れさせた。ふたりは入った。
 ふたりは娘が寝ているところへ行った。赤毛の男が進み出て、脈をとった。男は、ご主人が骨折りのお代をいただけるなら、娘を治せるだろうと言った。王さまは、なんでも望みの褒美をやろうと言った。「この部屋におれとご主人さまだけにしてくれたら、そのほうがいい」王さまは、そうさせようと言った。
 男は長い柄つきの鍋に水を入れて持ってこさせた。鍋を火にかけ、ニール・オキャリーにたずねた。「医者の道具はどこだ」「ほらここに、クラムシュキーンにギャルシュキーンだ」とニールは答えた。
 男はクラムシュキーンを娘の首にあてた。娘の頭を切り取った。ポケットから緑色の薬草を出した。それを首にこすりつけた。血は一滴も出なかった。男は頭を鍋に入れ、ひと煮立ちさせた。耳をつかんで鍋から取り出した。首に頭を押しつけた。頭はもとのとおりにくっついた。「気分はどうだい」「すっかりよくなったわ」と王さまの娘は答えた。
 大男がおおきな声を出した。王さまが入ってきた。王さまはたいそうよろこんで、三日のあいだふたりをひきとめた。いよいよ出発するというとき、お金の詰まった袋を持ってきた。王さまは袋の中身をテーブルにあけた。ニール・オキャリーに向かって、これでじゅうぶんかとたずねた。じゅうぶんどころか多すぎるから、半分でいいとニールは答えた。王さまはぜんぶ持ってゆくようにと言った。
「べつの王さまの娘が、おれたちが行って見てやるのを待っていますから」ふたりは王さまに別れを告げて、べつの王さまの娘のところへ行った。
 ふたりは娘を見に…

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