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滅亡の喜び
めつぼうのよろこび
作品ID60964
著者生田 春月
文字遣い新字旧仮名
底本 「日本の詩歌 26 近代詩集」 中央公論社
1970(昭和45)年4月15日
入力者hitsuji
校正者The Creative CAT
公開 / 更新2023-03-12 / 2023-02-28
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より




我が肢は甘くたるみて
痛む頭もこゝろよし、
この頭くらく、めくるめくとき、
失ひし楽園は幻に見ゆ。



手はふるひ、足はよろめく
さながら、酔ひどれが
家路へかへるにも似て、
地獄の門に倒れ入らん。



滅びよ、滅びよ、いとしき我が身、
急げよ、たのしき地獄の門へ。
すべてのものゝ存在せざる
其処にこそ我が失ひし楽園はあれ。



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