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離れてゆく秋
はなれてゆくあき |
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作品ID | 60968 |
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著者 | 萩原 恭次郎 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「日本の詩歌 26 近代詩集」 中央公論社 1970(昭和45)年4月15日 |
入力者 | hitsuji |
校正者 | 染川隆俊 |
公開 / 更新 | 2024-11-22 / 2024-11-20 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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鴎はシグナルのやうに飛び交ふ!
海底に私は濡れた火薬として沈む!
赤いマストは折れてドテツ腹を突き通してゐる!
君の心臓には黒い無為の切手が刷つてある!
錨の上らない程の海の憂愁は
幾匹もの魚を胸に泳がせる!
寒流である――――――――● ● ●
鋏で切られてゐる空だ!
握手にのみ充満と爆発はひそむ!
すでに秋は海底から熱情に錆びをあたへる!
「さようなら!」