えあ草紙・青空図書館 - 作品カード

作品カード検索("探偵小説"、"魯山人 雑煮"…)

楽天Kobo表紙検索

深夜
しんや
作品ID60990
著者三富 朽葉
文字遣い新字旧仮名
底本 「日本の詩歌 26 近代詩集」 中央公論社
1970(昭和45)年4月15日
入力者hitsuji
校正者きりんの手紙
公開 / 更新2022-08-14 / 2022-07-27
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

広告

えあ草紙で読む
▲ PC/スマホ/タブレット対応の無料縦書きリーダーです ▲

find 朗読を検索

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ作品レビュー

find Kindle 楽天Kobo Playブックス

青空文庫の図書カードを開く

find えあ草紙・青空図書館に戻る

広告

本文より


影と銀の乱れる夜へ
月は死葉を刈り立てる。
(魂は忍び音を聞く。)

虚空の淵に揺られる
星の瞳は鈴を響かす。
(魂は灰を見つめる。)――

渦巻く雲より覗く
烈しい闇の裸形。
(魂は火を失ふ。)――

いつも地平を逍ふ獣の群よ、
いつも雪の降る薄明りよ、
いつもわが閉ぢた窓に映る幻よ、
いつも暖をとる寒い魂よ、
いつも我を裏ぎる我の
心の罠よ 肉の恐怖よ。

いつもいつもつまづくわが神経のいらだたしさ……



えあ草紙で読む
find えあ草紙・青空図書館に戻る

© 2024 Sato Kazuhiko