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冬の歌
ふゆのうた |
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作品ID | 60991 |
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著者 | 三富 朽葉 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「日本の詩歌 26 近代詩集」 中央公論社 1970(昭和45)年4月15日 |
初出 | 「自然と印象 第九集」自由詩社、1909(明治43)年2月1日 |
入力者 | hitsuji |
校正者 | きりんの手紙 |
公開 / 更新 | 2023-08-02 / 2023-07-31 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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古家を洩れて
蒼い夕をおとづれる
沈黙の煙の翅。
匍ひ廻る霧の奥に
森や山が闇を語つてゐる。
ほそぼそと銀を乱す
蜘蛛の網の
湿り気を吐く糸目にまつはつて
苦しい死を訴へる羽虫のなきがら。
こごえた冬のうろつくところ
欝陶しい魂の旅が始まる……