えあ草紙・青空図書館 - 作品カード

作品カード検索("探偵小説"、"魯山人 雑煮"…)

楽天Kobo表紙検索

冬の歌
ふゆのうた
作品ID60991
著者三富 朽葉
文字遣い新字旧仮名
底本 「日本の詩歌 26 近代詩集」 中央公論社
1970(昭和45)年4月15日
初出「自然と印象 第九集」自由詩社、1909(明治43)年2月1日
入力者hitsuji
校正者きりんの手紙
公開 / 更新2023-08-02 / 2023-07-31
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

広告

えあ草紙で読む
▲ PC/スマホ/タブレット対応の無料縦書きリーダーです ▲

find 朗読を検索

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ作品レビュー

find Kindle 楽天Kobo Playブックス

青空文庫の図書カードを開く

find えあ草紙・青空図書館に戻る

広告

本文より


古家を洩れて
蒼い夕をおとづれる
沈黙の煙の翅。

匍ひ廻る霧の奥に
森や山が闇を語つてゐる。

ほそぼそと銀を乱す
蜘蛛の網の
湿り気を吐く糸目にまつはつて
苦しい死を訴へる羽虫のなきがら。

こごえた冬のうろつくところ
欝陶しい魂の旅が始まる……



えあ草紙で読む
find えあ草紙・青空図書館に戻る

© 2024 Sato Kazuhiko