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風が吹いている
かぜがふいている
作品ID61560
原題ВІЮТЬ ВІТРИ
著者チュラーイ マルーシャ
翻訳者大久保 ゆう
文字遣い新字新仮名
入力者大久保ゆう
校正者
公開 / 更新2022-05-09 / 2022-05-09
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


風が吹いている 風がうなる
木々もしなる
わたしの心は痛むのに
もう涙も流れない

えんえん嘆き悲しんできたけれど
終わりは見えない
いっそ泣き叫んでも
気持ちが楽になるだけ

涙は幸せを取り戻してくれない
気休めになるだけのこと
つかのま幸いだった人は
死ぬまでそれが忘れられない

わたしのめぐりあわせを
うらやむ人たちもいる
野に生える草がそれだけで
幸せだとでもいうの?

しずくもなく陽にさらされて
野や土だけでどうなるというの?
愛するあなたがいないまま
ふるさとにひとり生きるつらさ

あなたはどこ 愛しい黒まゆさん
どこにいるの 返事をして
ここであわれに泣き暮れている
わたしを どうか見つけ出して

あなたのもとへ飛んでゆけたら
でも わたしには翼がない
あなた恋しさに枯れ果てそうな
わたしに気づいてほしいのに

誰に抱きつけばいい
誰に抱き寄せてもらえばいい?
だって今いないのだもの
わたしを愛してくれる人は



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