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![]() うもんとりものちょう さんじゅうばんてがら おびどけぶっぽう |
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作品ID | 864 |
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著者 | 山中 貞雄 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「山中貞雄作品集 全一巻」 実業之日本社 1998(平成10)年10月28日 |
入力者 | 野村裕介 |
校正者 | 伊藤時也 |
公開 / 更新 | 2000-03-09 / 2014-11-12 |
長さの目安 | 約 28 ページ(500字/頁で計算) |
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右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法 寛寿郎プロダクション(サイレント)
原作 佐々木味津三
脚色 山中貞雄
撮影 吉田清太郎
監督 山中貞雄
キャスト
むっつり右門 嵐寛寿郎
おしゃべりの伝六 頭山桂之助
あばたの敬四郎 尾上紋弥
おふみ 山路ふみ子
兄伊吉 市川寿三郎
生島屋太郎左衛門 玉島愛造
敬四郎女房 お兼 別府花子
生島屋の娘 お類 泉 清子
敬四郎乾分 松公 嵐寿之助
奉行 嵐徳三郎
結城左久馬 春日 清
村井庄兵衛 菊本久男
[#改ページ]
1=(F・I)呉服屋生島屋太郎左衛門の表
表の暖簾。娘のお類さん乳母をつれて今御出掛けです。乳母が履物をそろえてる間に彼女帳場の方をちらと見ます。手代の伊吉が忙しそうにそろばんを弾いている。
2=表
お類その儘出て行きます。入れ違いにあばたの敬四郎の妻女お兼さんが店へ入ります。
「いらっしゃいませ」と手代の伊吉。
3=生島屋の附近
川端で土蔵の白壁が見えて居て柳の木が一本ある。お類此処まで来て立ち止る。人待ち顔。
4=生島屋店先
お兼さんの前に伊吉反物を色々並べます。
お兼中年増の図々しい、いやらしさで伊吉を見ます。余りしげしげ見られるんで伊吉一寸テレます。
5=附近
お類待ってます。乳母に「お前見といで」と言ってます。
6=生島屋表
お兼さん買物を済まして出て行きます。
乳母が戻って来ると伊吉が得意先でも廻る恰好で出て来る。
乳母が「早く」と目顔で……伊吉急ぎ足に近づく。乳母が「待ってらっしゃいますよ」と言って置いて日傘を取りに店へ戻る。背後の板塀に戯書がある。相合傘の下に、
いきち、おるい
その戯書の大写からO・Lして、
7=元のお類の待っていた処
お類と伊吉のラブシーンです。
T「あんたとの事兄さんに話したら」
とお類です。伊吉が、
T「許して下さいましたか?」
お類が、
T「兄さんは、あんたの妹さんをお嫁に欲しいんだッて」
えッと伊吉、
T「御主人様がおふみを?」
伊吉返答に困った。
T「そうしたら妾をあんたのお嫁さんに呉れてやるって」
伊吉困った。
乳母が日傘持って帰って来た。伊吉それと見て話をやめる。お類が、
T「妹さんと相談しといてね」
と乳母と共に去る。その前を一人の娘が通り掛った。
よウ似てるけど、と言った顔で立ち止りました。
T「兄さんじゃ無い?」
へッと伊吉。
「おふみか?」
T「何考えてんの?」
と伊吉、
「いや何でも無いさ」
その傍を通り掛かったお侍、結城左久馬(相当大身である)。供の若侍二人を見返って「あの女」と言う。おふみの事である。美人じゃ喃と言った顔で見惚れた。
(F・O)
8=(F・I)と…