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レ・ミゼラブル
レ・ミゼラブル
副題02 改訳について
02 かいやくについて
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「レ・ミゼラブル(一)」 岩波文庫、岩波書店
1987(昭和62)年4月16日
入力者tatsuki
校正者小林繁雄、門田裕志
公開 / 更新2007-02-24 / 2014-09-21
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


「レ・ミゼラブル」の翻訳を私が仕上げたのは、ずいぶん以前のことである。年少菲才の身をもって事にあたったので、意に満たぬ点が多々あった。しかるに今度改訂の機会を得て、旧稿に手を入れてみた。
 翻訳の仕事の難事であることは言うまでもない。ことに、自由奔放にペンを走らしたと思える「レ・ミゼラブル」のような浩瀚なものについては、種々の困難が伴なうものである。だが私としては相当の努力はしたつもりである。私がとくに意を用いたのは、原文の調子を、気分を、なるべく保存したいということであった。そのため、時には、荘重ではあっても拮屈のきらいがあるかも知れない。それは余儀ないことであった。「レ・ミゼラブル」は、世間で往々想像されてるような卑俗な作品ではなく、高遠な理想主義で一貫されてる作品である。
 私はこの改訳をもって、自分の「レ・ミゼラブル」翻訳の決定版としたい。再訂の余暇を持たないだろうからである。そして巻頭の私の序文は、この作品に対する私の若き日の感懐の記念である。
 なお、書中傍点付きのところは、原書にておもにラテン語もしくはイタリック字体となってる部分である。
豊島与志雄



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