えあ草紙・青空図書館 - 作品カード


広告

東方の窓辺にて
とうほうのまどべにて
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「今野大力作品集」 新日本出版社
1995(平成7)年6月30日
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2015-05-01 / 2015-03-08
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
えあ草紙で読む
HTMLページで読む

広告

find Kindle 楽天Kobo Playブックス

find Audible YouTube

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ作品レビュー

青空文庫の図書カードを開く

find えあ草紙・青空図書館に戻る

楽天Koboで表紙を検索

広告

本文より


私のいる家の東方に窓があった
私は農家の二階に間借りして幾十日かを過す身であった
私は自分の起居に不自由の身をそこに運び、
ひたすら、健康の日を恋していたのである、
かがやく健康の美しさは私の希望であった

私は東方に追憶の瞬間を持つ
私の室の東方の窓はそこへの視野を展開している
ハコネの連山は眺望の彼方にある
山脈の起伏は無言に昨日も今日も変りはないが
ただ風に送られる雲の往来と空色の変化とを発見する、

雲の彼方
橙色の空の下
朝となれば朝焼け
夕べとなれば夕焼け
真紅に輝く折々の熱情は
私の病める身になおも燃えんとする

私は今東方の窓辺に佇む
私は一人の妻を想うのみであろうか、
私はただ昨日の日にきれいな煙を吐きかけるのみであろうか
私の胸には
決してたゆることなき未来への希望が
決して消えることなき新らしき日本の姿が
この窓を通し
多くの同志への信頼の中に燃えつつあるを発見する



えあ草紙で読む

ライフメディアへ登録

Koboユーザー必見!
楽天スーパーポイントとは別に
価格の5%がポイントに!

find えあ草紙・青空図書館に戻る

© 2016 Sato Kazuhiko