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小説文体
しょうせつぶんたい |
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作品ID | 33228 |
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著者 | 泉 鏡花 Ⓦ |
文字遣い | 旧字旧仮名 |
底本 |
「鏡花全集 第二十八巻」 岩波書店 1942(昭和17)年11月30日 |
入力者 | 高柳典子 |
校正者 | 門田裕志 |
公開 / 更新 | 2003-09-12 / 2014-09-18 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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僕は雅俗折衷も言文一致も、兩方やツて見るつもりだが、今まで經驗した所では、言文一致で書いたものは、少し離れて見て全躰の景色がぼうツと浮ぶ、文章だと近く眼の傍へすりつけて見て、景色がぢかに眼にうつる、言文一致でごた/\と細かく書いたものは、近くで見ては面白くないが、少し離れて全躰の上から見ると、其の場の景色が浮んで來る、油繪のやうなものであらうか、文章で書くとそれが近くで見てよく、全躰といふよりも、一筆々々に面白みがあるやうに思はれる、是れはどちらがいゝのだか惡いのだか、自分は兩方やツて見るつもりだ。
明治三十一年二月