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『絵はがき』評
『えはがき』ひょう
作品ID42295
著者折口 信夫
文字遣い新字旧仮名
底本 「折口信夫全集 32」 中央公論社
1998(平成10)年1月20日
初出「毎日新聞」1946(昭和21年)年11月4日
入力者門田裕志
校正者多羅尾伴内
公開 / 更新2004-01-14 / 2014-09-18
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より




堀辰雄氏の創作集が七冊本になつて、叢刊せられる。最初に出たのが、この『絵はがき』である。堀氏は、日本の新旧生活様式に対して、まるで異郷人がする様に、えきぞちつくな目を瞠つてゐる。その綴る文章も、日本の古典の持つ明るさと、西欧の文体にある爽かさとを兼ねてゐる。今度の本には、その一等若い生活の印象せられた懐しい作品が多い。
散文においても、また詩においても若い文学の世代に生きようとする人には、是非この本を読んでほしい。壮年期以上の人々にとつては新しい感覚に充ちた文章の、叙景力・抒情力に打たれて見るのも、喜ばしい驚異に行き会ふことになるだらう。今、大変健康をこはしてゐる堀氏を思ふと、早く起ち直つて、幾篇かの後世に伝ふべき創作集を、整頓する勇気を、持ち直してほしいと、切に思ふ。



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