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怪談会 序
かいだんかい じょ |
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作品ID | 47336 |
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著者 | 泉 鏡花 Ⓦ |
文字遣い | 旧字旧仮名 |
底本 |
「文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会」 ちくま文庫、筑摩書房 2007(平成19)年7月10日 |
入力者 | 門田裕志 |
校正者 | noriko saito |
公開 / 更新 | 2007-12-09 / 2014-09-21 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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序
傳ふる處の怪異の書、多くは徳育のために、訓戒のために、寓意を談じて、勸懲の資となすに過ぎず。蓋し教のために、彼の鬼神を煩らはすもの也。人意焉ぞ鬼神の好惡を察し得むや。察せずして是を謂ふ、いづれも世道に執着して、其の眞相を過つなり。聞く、爰に記すものは皆事實なりと。讀む人、其の走るもの汽車に似ず、飛ぶもの鳥に似ず、泳ぐもの魚に似ず、美なるもの世の廂髮に似ざる故を以て、ちくらが沖となす勿れ。
泉 鏡花