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延若礼讃
えんじゃくらいさん
作品ID47819
著者折口 信夫
文字遣い新字旧仮名
底本 「折口信夫全集 22」 中央公論社
1996(平成8)年12月10日
初出「幕間 第五巻第六号」1950(昭和25)年6月
入力者門田裕志
校正者酒井和郎
公開 / 更新2021-02-22 / 2021-01-27
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


うらゝかな春の入日、ちり/″\に地面も空もまつ白に、過ぎ行く花の幻影――その中に、かつきりと立つた延若の五右衛門――。私はその頭・背から輝き出る毫光を感じました。「国くづし」の立敵の表現は、歌舞妓の世界に、此が見をさめになつて行く。さう言ふ悲痛な信仰に似たものに、心が潤うて来るのをおさへることが出来ませんでした。



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