えあ草紙・青空図書館 - 作品カード

作品カード検索("探偵小説"、"魯山人 雑煮"…)

楽天Kobo表紙検索

芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を
ふようのはなにもにたうつくしいようきひを
作品ID49727
著者上村 松園
文字遣い新字新仮名
底本 「青帛の仙女」 同朋舎出版
1996(平成8)年4月5日
初出「京都日出新聞」1923(大正12)年9月9日
入力者川山隆
校正者鈴木厚司
公開 / 更新2009-03-26 / 2014-09-21
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)

広告

えあ草紙で読む
▲ PC/スマホ/タブレット対応の無料縦書きリーダーです ▲

find 朗読を検索

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ作品レビュー

find Kindle 楽天Kobo Playブックス

青空文庫の図書カードを開く

find えあ草紙・青空図書館に戻る

広告

本文より




 帝展の方も大分出品しなかったので今年は思い立って……それも近頃取りかかったばかりで明日辺りから墨を当てようかというところなのです。画題は〈楊貴妃〉それもあの湯上りの美しい肌を柔らかな羅に包んで勾欄に凭れながら夢殿の花園を望んで見ると言った構図で、尤も湯上りと言いますと何だか意気に、そうしてやや下品な様に聞こえますがそうではなく極気品の高いものにして全体羅の中に玉の様な肩先から白い胸の辺り少し湯上りのぽっと紅潮した皮膚が見えて居ると言った風で……傍には侍女が一人います。

 詩集はかなり繙きましたが白楽天のは殊に愛誦して居りましたし中でもこの長恨歌には深い懐かしみを持って居りました。何時か一度はそれを描いてみたいと思って居りましたが、この夏大阪で開かれた展覧会に楊貴妃の半身を描いたのが今度全身の絵として出品する事になったのです。大きさは二枚折の少し大きな位で絹地を用います。
 楊貴妃の服装についてはこの間中博物館へ通っていろいろ古い参考品を出して頂いて見て来ました。日本で申せば天平から奈良朝、あの時代の衣装や調度建築の様式で行く考えです。猶詩には春寒とありますがこれは夏の時候に改めるつもりです。
(大正十二年)



えあ草紙で読む
find えあ草紙・青空図書館に戻る

© 2024 Sato Kazuhiko