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地極の天使
じごくのてんし
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「中原中也詩集」 角川文庫、角川書店
1968(昭和43)年12月10日改版
入力者ゆうき
校正者きりんの手紙
公開 / 更新2019-04-29 / 2019-03-29
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


 われ星に甘え、われ太陽に傲岸ならん時、人々自らを死物と観念してあらんことを! われは御身等を呪ふ。
 心は腐れ、器物は穢れぬ。「夕暮」なき競走、油と虫となる理想! ――言葉は既に無益なるのみ。われは世界の壊滅を願ふ!
 蜂の尾と、ラム酒とに、世界は分解されしなり。夢のうちなる遠近法、夏の夜風の小鎚の重量、それ等は既になし。
 陣営の野に笑へる陽炎、空を匿して笑へる歯、――おゝ古代! ――心は寧ろ笛にまで、堕落すべきなり。
 家族旅行と木箱との過剰は最早、世界をして理知にて笑はしめ、感情にて判断せしむるなり。――われは世界の壊滅を願ふ!
 マグデブルグの半球よ、おゝレトルトよ! 汝等祝福されてあるべきなり、其の他はすべて分解しければ。
 マグデブルグの半球よ、おゝレトルトよ! われ星に甘え、われ太陽に傲岸ならん時、汝等ぞ、讃ふべき[#「讃ふべき」は底本では「讚ふべき」]わが従者!



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