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手紙
てがみ
作品ID51785
副題050 慶応三年一月二十日 姪春猪あて
050 けいおうさんねんいちがつはつか めいはるいあて
著者坂本 竜馬
文字遣い新字旧仮名
底本 「龍馬の手紙、宮地佐一郎」 講談社学術文庫、講談社
2003(平成15)年12月10日
入力者Yanajin33
校正者Hanren
公開 / 更新2010-08-30 / 2014-09-21
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


春猪どの/\、
春猪どのよ/\。此頃ハあかみちやとおしろいにて、はけぬりこてぬり/\つぶしもし、つまづいたら、よこまちのくハしやのばゞあがついでかけ、こんぺいとふのいがたに一日のあいだ御そふだんもふそふというくらいのことかへ。
をばてきのやんかんそふもこのごろハ、ちとふやり/\と心も定めかねをりハすまいかと思ふぞや。たいての[#挿絵]なり候や、二町目へすてしめてもよかろふのふ。
おまへハ人から一歩もたして、をとこという男ハ皆にげだすによりて、きづかひもなし。又やつくと心もずいぶんたまかなれバ、何もきづかいハせぬ。
けれども、是からさきのしんふわい/\ちりとりににてもかきのけられず、かまでもくわでもはらハれず、ふいぶん/\せいだしてながいをとしををくりなよ。
私ももしも死ななんだらりや、四五年のうちにハかへるかも、露の命ハはかられず。
先[#挿絵]御ぶじで、をくらしよ。
正月廿日夜
りよふより
春猪様
足下



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