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和歌三
わかさん |
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作品ID | 52153 |
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著者 | 坂本 竜馬 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「龍馬の手紙、宮地佐一郎」 講談社学術文庫、講談社 2003(平成15)年12月10日 |
入力者 | Yanajin33 |
校正者 | Hanren |
公開 / 更新 | 2010-12-13 / 2014-09-21 |
長さの目安 | 約 2 ページ(500字/頁で計算) |
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秋の暮れ
嵐山夕べ淋しく鳴る鐘に
こぼれそめてし木々の紅葉
桂小五郎揮亳を需めける時示すとて
ゆく春も心やすげに見ゆるかな
花なき里の夕暮の空
○
こゝろからのどけくもあるか野辺ハ猶
雪げながらの春風ぞ吹
○
丸くとも一かどあれや人心
あまりまろきはころびやすきぞ
奈良崎将作に逢ひし夢見て
面影の見えつる君が言の葉を
かしくに祭る今日の尊さ
父母の霊を祭りて
かぞいろの魂やきませと古里の
雲井の空を仰ぐ今日哉
○
ゑにしらが艦寄するとも何かあらむ
大和島根の動くべきかわ
○
常磐山松の葉もりの春の月
あきハあはれと何をもいけん
○
世と共にうつれば曇る春の夜を
朧月とも人は言ふなれ
土佐で詠む
さよふけて月をもめでし賤の男の
庭の小萩の露を知りけり
伏見より江戸へ旅立つとき
又あふと思ふ心をしるべにて
道なき世にも出づる旅かな
淀川を遡りて
藤の花今をさかりと咲きつれど
船いそがれて見返りもせず
泉州名産挽臼
引臼の如くかみしもたがはずば
かかる憂目に逢はまじきもの