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初夏の祈祷
しょかのきとう |
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作品ID | 53586 |
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著者 | 萩原 朔太郎 Ⓦ |
文字遣い | 旧字旧仮名 |
底本 |
「萩原朔太郎全集 第三卷」 筑摩書房 1977(昭和52)年5月30日 |
入力者 | kompass |
校正者 | 小林繁雄 |
公開 / 更新 | 2011-08-13 / 2018-12-18 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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主よ、
いんよくの聖なる神よ。
われはつちを掘り、
つちをもりて、
日毎におんみの家畜を建設す、
いま初夏きたり、
主のみ足は金屬のごとく、
薫風のいただきにありて輝やき、
われの家畜は新緑の蔭に眠りて、
ふしぎなる白日の夢を畫けり、
ああしばし、
ねがはくはこの湖しろきほとりに、
わがにくしんをしてみだらなる遊戲をなさしめよ。
いま初夏きたる、
野に山に、
榮光榮光、
榮光いんよくの主とその僕にあれ。
あめん。
―一九一四、五、八―