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純銀の賽
じゅんぎんのさい |
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作品ID | 53602 |
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著者 | 萩原 朔太郎 Ⓦ |
文字遣い | 旧字旧仮名 |
底本 |
「萩原朔太郎全集 第三卷」 筑摩書房 1977(昭和52)年5月30日 |
入力者 | kompass |
校正者 | 小林繁雄 |
公開 / 更新 | 2011-08-19 / 2018-12-18 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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みよわが賽は空にあり、
空は透青、
白鳥はこてえぢのまどべに泳ぎ、
卓は一列、
同志の瞳は愛にもゆ。
みよわが賽は空にあり、
賽は純銀、
はあとの「A」は指にはじかれ、
緑卓のうへ、
同志の瞳は愛にもゆ。
みよわが光は空にあり、
空は白金、
ふきあげのみづちりこぼれて、
わが賽は魚となり、
卓上の手はみどりをくむ。
ああいまも想をこらすわれのうへ、
またえれなのうへ、
愛は祈祷となり、
賭博は風にながれて、
さかづきはみ空に高く鳴りもわたれり。
―八月三十一日―